そーね。そうか。そうなのね。

オジさんがオモシロそうだと思った科学ネタを、勝手にお裾分けします。

ゆるゆるカガクの用語集「第二の地球」編

オジさんの科学vol.031 2018年7月号

(2018年7月に配信した文章を、2020年3月に微修正しアーカイブしました)

 

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 2018年7月2日に「宇宙における生命」を研究するアストロバイオロジーセンターより「第二の地球探しのための系外惑星観測装置IRDが稼働!」というニュースが発表された。

 自分探しの旅が流行ったこともあったが、これからは第二の地球探しだ。地球もちょっと住みにくくなってきた。移住先に宇宙なんてどうだろう。

 そこで今回は、移住先候補を探すうえで困らないように、いくつかの用語を説明しておきます。

まずは、冒頭のニュースにもあるこの言葉から。

けいがいわくせい【系外惑星

 太陽“以外”の恒星を周る惑星のこと、太陽系外惑星です。水星、金星、地球、火星、木星土星天王星海王星以外のこと。
 最初の系外惑星は1995年に発見された。現在ではほぼ確実と言われる候補を入れると6,000余りある。

 

ちゅうしんせい【中心星】

 惑星が周っている真ん中に有る恒星のこと。太陽系では太陽。
 中心星が二重星の場合もある。ルーク・スカイウォーカーの故郷、惑星タトゥウィーンのように、空に浮かぶ二つの太陽が眺望できる。

 

ほっとじゅぴたー【ホットジュピター

 ジュピターとは木星の事。木星の質量は地球の318 倍もある巨大惑星、太陽を12年かかって周る。
 ホットジュピターは、恒星のすぐ傍を周っている巨大惑星のこと。高温に熱せられている。1995年に初めて発見された系外惑星ホットジュピター。恒星を4日で一周する。
 近すぎて暑苦しい奴だ。住むには適さない。

 

えきせんとりっくじゅぴたー【エキセントリックジュピター】

 変わった行動をとる巨大惑星の事。巨体なのに極端に細長い楕円軌道で周る。
 ハレーすい星のように太陽の間近まで近づいたかと思うと、はるか遠い辺境まで飛び去る。灼熱と極寒を繰り返す。
 ここも暮らしにくいかも。

 

あーす/すーぱーあーす【アース/スーパーアース】

 よく効く蚊取り線香ではない。アースとは地球と同じくらいの、スーパーアー スは地球よりちょっと大きめの惑星の事。

 

はびたぶるぞーん【ハビタブルゾーン

 直訳すれば居住可能な場所。超大雑把に言うと、惑星の表面に水が液体でいられる中心星との距離。近すぎると熱くて蒸発してしまい、遠いと凍ってしまう。生物が居る可能性がある。
 地球はど真ん中に入るが、火星はぎりぎり。
 ちなみにオジさんはZONEのシークレットベースが好きだ。

 

はびたぶるわくせい【ハビタブル惑星】

 ざっくり言うとハビタブルゾーン内のアースやスーパーアースなど。まだ数十個 しか発見されていない。有力な移住先だ。

 

せきしょくわいせい【赤色矮星】 

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 赤く弱々しく光る、軽く小さな恒星。放出するエネルギーが小さいのでハビタブルゾーンが中心星に近い。惑星を発見しやすく、銀河系にたくさんある。
 ハビタブル惑星の発見が期待できる。
 赤提灯のように親しみを感じるなぁ。

 

 

 

 

とらんじっとほう【トランジット法】

 飛行機の乗り換え方法ではない。系外惑星を探査する方法の一つ。地球から見て惑星が中心星の前を横切る時、ちょっとだけ光を遮ることになる。
 恒星の光度が定期的に変化するかどうかを観測する。

 

どっぷらーほう【ドップラー法】

 救急車のサイレンの音は近づく時は高く聞こえ、遠ざかる時は低くなる。ドップ ラー効果だ。
 同じように恒星と地球の相対速度が変わると色が変わる。惑星が周っていると恒星もほんのちょっとふらつき、地球に近づいたり遠ざかったりする。変化する色調を観測する。

 

けいがいわくせいたんさきけぷらー/けぷらーうちゅうぼうえんきょう【系外惑星探査機ケプラーケプラー宇宙望遠鏡

 2009年NASA系外惑星を探すために打ち上げた人工衛星。直径140cmの 反射望遠鏡でトランジット法を使う。系外惑星の大半を発見した。あと数カ月で 燃料が切れる。
 ケプラーは、惑星の法則を発見した16~17世紀の大天文学者の名前。

 

けいがいわくせいたんさえいせいてす【系外惑星探査衛星TESS

 ケプラーの後継機種。2018年4月にスペースX社のロケット「ファルコン9」で打ち上げられた。望遠鏡4台で全天の90%を観測する。特にご近所の赤色矮星をターゲットとし、トランジット法で解析する。

 

けいがいわくせいたんさえいせいけおぷす【系外惑星探査衛星CHEOPS】

 欧州宇宙機関ESAが2018年内に打ち上げる予定の探査機。口径32cmの望遠鏡を搭載する。TESSが天空を広く調べるのに対し、既に惑星があることがわかっている恒星をトランジット法で詳しく分析する。

 

すばるぼうえんきょうようしんがたけいがいわくせいたんさそうちあいあーるでー【すばる望遠鏡用新型系外惑星探査装置IRD】

日本も負けていない。冒頭に紹介したニュースの装置。IRDは「赤外線ドップラー」の略。国立天文台がハワイのマウナケア山頂に持つ大型望遠鏡すばる、に取り付ける。赤色矮星に的を絞ってハビタブル惑星を探す。

 

きょうとだいがく3.8めーとるぼうえんきょうせいめい【京都大学3.8m望遠鏡せいめい】      

 8月から稼働する国立天文台岡山天体物理観測所内に建造された望遠鏡。平安時代陰陽師天文博士である安倍晴明にちなむ。恒星の光を分析して間接的に惑星を探すのではなく、直接惑星の光を捉えることを目指す。灯台の脇に居るホタルを見るようなものなのだとか。

 

 では、良い物件が見つかることをお祈りいたします。

 

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や・そね

 

<参考資料>

プレスリリース

              ・「第二の地球探しのための新観測装置IRDが稼働!」

             2018年7月2日 自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター

書籍

              ・『系外惑星と太陽系』 井田茂 岩波新書

雑誌

              ・「系外惑星探索の新時代」 日経サイエンス2018年7月号

              ・「マイヨール博士が語る系外惑星発見物語」 日経サイエンス2016年4月号

HP

              ・京都大学

              ・ウィキペディア太陽系外惑星