オモシロそーね!

オジさんが、面白いと思った科学のニュースを、素人の目線で勝手に紹介しま~す。

将棋と脳

オジさんの科学vol.019 2017年7月号(2017年7月23日/2019年11月15日修正)

 

 藤井聡太四段が、驚異のプロ入り29連勝を達成した。そのおかげで、大将棋ブームの到来のようだ。オジさんも30連勝をかけた佐々木勇気五段との一戦を、abemaTVで観戦した。
 持ち時間は各5時間。丸一日考え続ける。みろく亭の冷やし中華大盛りを食べている時も、きっと考えている。
 藤井四段は、持ち時間が無くなった終盤戦の瞬時の判断も正確だという評判だ。

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 14歳でプロ棋士になった藤井四段だけでなく、天才と呼ばれる棋士は多い。30連勝を阻止した佐々木五段も16歳でプロになった。

 藤井四段が三連勝している詰将棋選手権では、39手詰以内で5問出題される。制限時間は90分。解答が早ければ早いほど上位になる。オジさんはせいぜい5手詰まで、まぐれで解けても7手詰が限界だ。

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「ハンバーガー」と「かば焼き」 

 歳をとると肉より魚を好むようになる。と言われるが、相変わらず肉の方が好きだ。ステーキに焼き肉、ハンバーグに生姜焼き、とんかつ、ビーフシチュー。
 暑い夏が始まる。炎天下のゴルフで倒れないように、肉を食べて体力をつけよう。

 毎月29日は「肉(29)の日」。肉の特売日だ。焼き肉の牛角では、通常価格4980円のメニューを290円で各店先着1名に提供したこともあった。
 ところが今月(6月)の29日は「無(6)肉の日」だそうだ。あえて肉を食べない日らしい。
 さて、無肉の日に肉を食べたい人は、何を食べればよいのでしょうか。

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恐竜から焼鳥をつくるには

 先月号(2017年4月号)の配信は、ぎりぎり末日に間に合った。焼鳥片手にビールでひとり打ち上げ。
 ほっとした翌日、日経サイエンスの6月号を取りだしてびっくり。あらら、なんと特集が「恐竜から鳥へ」。
 先月号で、鳥の祖先は恐竜であることをお伝えした。
 そこで今月号では、「自分で恐竜を鳥に進化させ、焼鳥にして一杯やりたい」というオジさんたちの夢のために、日経サイエンスの記事などからその手順をお教えしたいと思う。

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 ①「初期の恐竜」を手に入れる

 まず、今から2億3000万年以上も前、中生代三畳紀という時代に生息していた原始的な恐竜を用意する。
 既にこの時代の恐竜は、鳥の特徴である3本の指が前向きについたまっすぐな脚を持っている。これにより恐竜は速く走ることができ、生存競争で優位に立てる。その中に、綿毛のような羽毛を持った恐竜がいる。これを選んでほしい。
 だが、この羽毛では風を捉えられず、飛べない。
 では、どんな役割を担っているのか。
 一つは、恐竜の体温を保持するためと考えられる。もう一つの理由がディスプレイだ。鮮やかな色の羽を持った恐竜もいることがわかっている。相手を驚かしたり、異性の気をひいたりするのだ。


②「気嚢(きのう)」をつくる

 ①を1500万年ほど進化させると、気嚢がつくられる。
 気嚢とは薄い膜の袋状の呼吸器官だ。気嚢があると肺は息を吸い込むときだけではなく、吐くときにも酸素を取り込める。巨大な恐竜は気嚢を発達させ、大量の酸素を効率的に取り込むことにより、大きなエネルギーを発生させる。
 鳥はこの気嚢を引き継ぐことにより、酸素が薄い高い空の上を飛行できるようになる。チベットには、エベレストの上空を飛ぶ鶴の仲間が居る。
 空気袋である気嚢は、体内でかなりのスペースを必要とする。その一部は骨の中にも入り込んでいき、スカスカにする。結果として鳥の軽量化が実現する。

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③叉骨をつくる

 そのうちに、恐竜は左右の「鎖骨」をV字型に融合させ「叉骨」を発達させる。(鎖骨も叉骨も「さこつ」と読む)これにより前肢が安定し、獲物をつかむ時の衝撃をうまく吸収できるようになる。
 鳥はこの叉骨を転用し、羽ばたく際にエネルギーを蓄えるバネとして使うようになる。 

 

④正羽(せいう)をつくる

 正羽とは中に軸がある羽。赤い羽根募金や羽根ペンに使われるような普通の羽のこと。
 初期の恐竜を6~7000万年進化させる。すると綿毛の様な糸状の羽毛は長くなり、枝分かれする。そして幾つかの単純な束ができ、やがて中央の羽軸から羽枝が横に出て正羽になる。

 

⑤大きな翼をつくる

 正羽は互いに重なり合うように生えるようになり、ついに翼を持つ恐竜が現れる。
 このような偶然が少しずつ重なって飛べるようになるのだ。
 原始的な恐竜を8000万年ほど進化させると、始祖鳥が誕生する。自然界では今から約1億5000万年ほど前、ジュラ紀と呼ばれる時代に出現した。

 

 この間に鳥は、クチバシや飛行をコントロールする大きな前脳を発達させたり、前脚(翼)が折りたためるようにしたり、大人になるまでの成長速度が上げたりした。
 小さくもなったようだ。大英自然史博物館展で見た始祖鳥の化石は、わずか3~40cm四方の石板の中に納まっていた。

 

 では、どんな遺伝子を使って鳥の特徴はつくられたのだろう。 
 今年(2017年)2月、東北大学東京大学国立遺伝学研究所等の国際共同チームが「鳥の進化にあたって新しい遺伝子の獲得はほとんどなかった」と発表した。
 共同チームは、ニワトリやツバメ、ペンギン、ダチョウなどの様々な鳥類とカメやワニ、トカゲ、マウス、カエル、魚などの9種類の動物のDNAを比較した。

 

 その結果、鳥だけが共通して持つDNA配列が27万個見つかった。ところがそのうちの99.7%は遺伝子では無かった。これらは、鳥に進化する前から持っていた遺伝子の機能を制御する「スイッチ」の役割をするDNAだった。
 鳥のさまざまな特徴は、ありものの恐竜の遺伝子のスイッチをオンにしたり、オフにしたりすることにより生み出されることがわかった。

 

 今回見つけたスイッチの一つは、ある遺伝子を活性化させ、翼の風切羽や尾羽(両方とも正羽)をつりだすことが判った。同じ遺伝子を持っていても、スイッチが入らないために他の生き物では羽が生えない。 

 

 さて、始祖鳥から焼鳥までは、あと1億5000万年ほど進化が必要になる。
 ニワトリのお肉を得るには、東南アジアや南アジアに生息するセキショクヤケイ(赤色野鶏)を家畜化し、最後に数千年ほど進化させればOKだ。

 

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 鳥は飛ぶという目的に向かって進化したのではない。
 もちろんオジさんの焼鳥になるために進化したのでもない。
 進化は偶然の結果。しかもゆっくりゆっくりと少しずつ変化を積み重ねる。そして想像もしなかった結果を生む。様々な器官が本来とは別の使われ方をするようになり、飛べるようになった。

 

 鳥肉には「イミダゾールジペプチド」いう成分が含まれる。これが中高年の脳萎縮を抑制し、神経心理機能を改善する可能性がある、という研究結果がある。
 オジさんたちは、焼鳥が好きで毎日食べているだけです。それがボケ防止につながるなんて、まったく気づいていません。

オジさんの科学vol.017 2017年5月号                                                                                2017.05.20(2019.10.21改) や・そね

ボクが鳥を恐がるわけ

 近所で見慣れない鳥をみかけた。うぐいす色でスズメくらいの大きさだった。よく見ると、目の周りが白く縁どりされていた。メジロだろうということになった。
 ボクは鳥が苦手だ。メジロ程度の大きさなら何ともないが、ハトになるとダメである。近づいても逃げないから困る。
 犬なら怒っていれば唸るし、嬉しければ尻尾を振る。しかし鳥は何を考えているか分からない。しかも空を飛んで攻撃してくるかもしれない。
 歩道にハトが居ると、片側3車線の道路でも反対側に迂回する。
 浅草寺にお参りする時は、仲見世を過ぎると目をつぶって、手を引いてもらう。

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 さらに言うと鳥は恐竜の子孫だから怖い。

 ティラノサウルスや、ジュラシックパークで人間を襲うヴェロキラプトルなどが属するグループから進化したと考えられている。

 恐竜のほとんどは6,550万年前に絶滅したが、鳥は生き残った。
 恐竜は爬虫(はちゅう)類のはずだ。ボクたちは、鳥類と爬虫類は別物として教えられた。今回は「いつから鳥類が恐竜になったのか」のお話です。

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ヒトのカラダは倹約上手

 収入が支出を上回れば、貯蓄は増える。マイナスならば減っていく。
 食べたエネルギーが使ったエネルギーを上回れば、脂肪として蓄積される。逆ならダイエットできるはずだ。
 結構歩いたりして運動しているのに全然体重が落ちない。食べ過ぎてもいないはずだ。
「運動してもやせない不思議」に関する記事が、日経サイエンス2017年4月号に掲載された。タイトルは「運動のパラドクス なぜやせられないのか」。

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がんばれベテルギウス

 真冬の夜空は、乾いているから星がよく見える。
 冬の星座の代表格はオリオン座だ。2月の午後8時頃には、南側ほぼ真上に見える。きれいに並んだ三つ星が目印だ。
 三つ星の左上、肩のところで赤く明るく光る星が「ベテルギウス」だ。
 赤い彗星シャア・アズナブル。赤い恒星はベテルギウス。赤色超巨星と呼ばれる大物だ。

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 ベテルギウスには「超新星爆発」が迫っているという。
 既に存在する星なのに「新星」というのは、急に明るくなるので新しい星が出現したかのように見えるから。しかもとてつもなく明るくなるので「超新星」と呼ばれる。
 ウィキペディアには「大質量の恒星が、その一生を終えるときに起こす大規模な爆発現象」とある。
 今日、明日起こっても不思議ではないらしい。しかも人類が未だかつて見たことも無い明るさの星になるという。

 天文学者はワクワク、天文ファンもウキウキだ。
 大物ベテルギウスに対して不謹慎な気もするが・・・。

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旧石器時代最先端技術博レポート

 (2017年の)正月早々、川崎市市民ミュージアムに「かながわ最初の現代人~旧石器時代のヒトと社会~」展を観に行った。

 

 すると数日後「旧石器時代最先端技術博覧会」の案内が送られてきた。テーマは「自然の技術的活用」だそうだ。横浜開催だったので、ちょっと2万年前まで行ってみることにした。
 会場には大勢の人が集まっていた。さすがに地上の氷河が最も拡大した時代だけあって、寒い。平均気温で21世紀より4、5度低い。仙台よりも寒いかも。冬らしく空は真っ青に晴れ渡っていた。海水面が130mも低下しているので、東京湾が無くなり千葉の方まで地続きだ。

 では、トピックスをご紹介します。

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【落とし穴】

 ウェルカムゲートをくぐると地面に穴が掘られていた。
「最新土木テクノロジーを駆使した狩猟技術『落とし穴』」というパネルが穴の横に立っている。

 詳細はこちら。
 直径         :1.4m
 深さ         :1.4m
 狩猟対象  :イノシシ、シカなど

  使用方法 :

①追い込み法。複数名で狩猟チームを作ります。チームは獲物を落とし穴に向けて追い立てます。この時大声を出したり鳴り物を使用すると、より効果的です。驚いた獲物を穴に落とせば成功です。

待ち伏せ法。獲物が落とし穴に掛かるのを寝て待つだけです。また、落とし穴をカモフラージュするために木の枝や枯葉などを活用しましょう。

 旧石器時代の落とし穴は日本でしか見つかっていない。落とし穴は定住化への一歩だったのかもしれない。

 

【礫(れき)群調理法】

 隣のブースでは、最新の調理実演をやっていた。コンパニオンの前にはたくさんの石(礫)が積み上げられている。
「まず、こぶし大から子どもの頭ほどの石を集めます。数は調理する量に応じて、十数個から数百個をご用意ください」コンパニオンは石を焚火の中に入れ始めた。
「石は赤くなるまで焼いてください」
 焼けた石を並べ、上にたくさんの草を敷き詰めた。草に含まれた水分で蒸気が立ち始めてきた。
「今日の食材は、鹿肉とドングリ、お芋です」食材を何かの葉っぱで包み、草の上に並べ、さらに草をかぶせた。
「このまま数十分から数時間蒸し焼きにします」
「200万年前からの焼くだけの調理法と違い、お芋などのデンプンを多く含んだ食材も上手に調理できます。また、硬い食べ物もとっても柔らかくなるんですよ」
「さて、こちらに3時間前から蒸しておいたものがあります」コンパニオンが包んだ葉っぱを開くと、湯気が上がる。
 塩味が効いたお肉は柔らかく、お芋はホクホクと蒸しあがっていた。デザートについたスモモもおいしかった。

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【細石刃(さいせきじん)】

 次は、今回のイベントの目玉だ。最新狩猟ギアを試してみようと、旧石器時代のオジさんたちがたくさん群がっている。
 槍が展示されている。
 動物の骨の様なもので出来た穂先の左右に、長さ3cm程度、幅5mmほどの薄い石の刃が連続して埋め込まれている。この小さな薄い刃を「細石刃」と呼ぶ。穂先全体を石で作るのではないため、材料が少なくて済む。 

f:id:ya-sone:20190816154559j:plain また、最大の特徴は「細石刃は替刃」だということである。一つの刃が欠けてもそれを取り換えれば、再び使用が可能になる。これまでの打製石器の狩猟用具は、砥ぐ技術が無いため、刃先が欠けると使い物にならなくなった。
 21世紀のオジさんが、ヒゲそりの切れ味が悪くなると新しい替刃にチェンジするのと同じだ。
 壊れても繰り返し使用可能で、且つ素材の岩石も少量で済む。再生可能&省資源の思想で作られている。
 ヘッドが軽くなるので槍の飛距離が伸びるのか?旧石器時代のオジさんたちは熱心にグリップやバランスを確かめていた。

 

神津島の黒曜石】

 会場を一回りした後に、伝統技術功労者の表彰式を見に行った。
 まっ黒に日焼けした男たちが照れくさそうに壇上に上る。授賞理由は「外洋航海術の継承と技術発展への貢献」。彼らは海洋採掘師。伊豆諸島の神津島まで黒曜石を採りに行く仕事だ。
 黒曜石は様々な打製石器の原材料となる。真黒なガラスのような岩石で、薄く尖った形に割れるため、切れ味鋭い刃物となる。産地は、信州八ヶ岳伊豆半島、そして神津島などだ。

 神津島伊豆半島の南、約50kmにある。丸木舟で外洋の荒波を越えて行くのだから、命がけだ。
 ここの黒曜石は1万8千年(現代からは3万8千年)も前から採取されている。片道ではなく、往復航海ってところが凄い。そして黒曜石はこの時代になって、細石刃として脚光を浴びるようになった。世界最古の航海術が最新技術を可能にした。男たちの首にメノウのメダルが掛けられた。

 ニュージーランドに人類が到達したのは13世紀になってからだ。3万8千年も前に外洋航路を持っていたなんて、日本の旧石器時代人は凄い。

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 人類の知能は数万年前から現代人と変わっていないと言われる。2万年前に生まれた赤ちゃんを現代に連れて来たら、現代人と全く変わらなく育つ。スマホも使えるし、インスタに投稿もするだろう。

 2万年前の人々も様々な工夫により、豊かな生活をつくりあげてきたようだ。

 

オジさんの科学vol.013 2017年1月号

                                                                      2017.01.29(2019.08.16改) や・そね